北海道大震災 その09

ちょっと話を横道にそらすが、母の話と北海道民気質について書こうかな。

私の母は昔は免許を持っていなかった。
あまり運動神経の良い方でもないし、恐らく一生免許を持つことはないだろうなと勝手に思っていた。

ところが父が美幌に転勤した際に、必要に迫られ50歳を目前に免許取得にチャレンジすることになった。
途中何度も挫折しそうになりながら、教習所の期限一杯の6か月を要してようやく免許を取ったのだ。

さて、現在の母であるが、家族の中で誰よりも運転をする。
道内あちこちを走り回り、風景写真を撮ったり、ワラビや蕗などの手軽に採れる山菜取りをするが趣味なのである。
富良野へ日帰りなんてのは当たり前。
長距離運転も平気なのだ。

ところが、その母も冬は買い物など必要に迫られない限りは車で出かけない。
冬の間はじーっとしていて、ひたすらに春を待っているのだ。
そして春が訪れるとともに全道各地・・・いや時にはフェリーに乗って東北まで車を走らせたりもする。

「抑圧」と「解放」を地で行っているというところか。

とはいえ、冬は冬で塩漬けにした山菜を料理したりなど、家の中での楽しみを見つけているので「抑圧されっぱなし」というのとも違うかも知れない。

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さて、前置きが長かったが、多かれ少なかれ北海道人の気質の一つに「抑圧に耐え解放を楽しむ」というものがあるように思う。
雪が融けて春先になると一斉にみんな外へ出かける姿は何も母に限ったことではない。

今でこそ、冬でも外のレジャーを楽しむ人は多いが、一昔前の世代の方は「自然には勝てない」ということを知っていて「冬は冬で自宅での楽しみを知っている」人が多いように思う。
真冬にガンガンにストーブを炊いて、半袖短パンで冷たいビールを飲んでいるのもその一つの表れかも知れない。

今回の地震による停電で、夜には屋外でBBQを食べいる方が多かったらしい。
そしてその事に対する批判の声も多かったと聞く。

あくまで個人的見解だが・・・。

それはそれで、いいんじゃないかなと思っている。
冷凍庫の食材を無駄にするぐらいなら使わなくちゃ→電気が来ていないからIHも使えないし炭で焼くか?→じゃあ庭でBBQしちゃうか!

という思考の流れも悪くはないと思う。

そして「どうせなら楽しく食事を楽しもう」という発想は悪いこととも思わない。
ある意味思考回路が北海道人らしいとさえ思う。
ただし、大騒ぎして近隣の方に迷惑をかけるようなのは全然別な話。

さすがに私の実家ではBBQをやろうという元気のあるものは誰もいなかったのだが、そういう「開き直り」というか「こういうときだから元気をだそう」という考えは良いと思うし、ちょっとうらやましくも思ったのでした。

(続く)