北海道大震災 その10 ~電気の復旧~
地震以降消防車や救急車のサイレンはひっきりなしに鳴っていた。
そんな中、一つのサイレンが近づいてくる。
消防車は自宅のすぐ目の前で止まった。
固唾を飲んで見守っていると、消防車から「工事中の建物からガス漏れが発生。火の使用は控えて欲しい。」とのアナウンス。
消火栓から出される水を見ていると不安な気持ちにさいなまれる。
この状況下で爆発事故や火災などが発生したらひとたまりもない。
だが、しばらくして警報は解除されほっと一安心。
ただ、この後電気が通った後の通電火災の可能性もある。
引き続き油断は禁物だ。
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そして!!
待ちに待った電気の復旧!
街灯の明りがまぶしい。
上の写真はほぼ同じ場所から撮影した停電中の模様。
車のヘッドライトがあって写真ではまぶしく見えるが、実際は真っ暗だ。
懐中電灯を手にした人であればわかるのだが、灯りを手にしていない人とは目の前に来るまでその存在がわからず、すれ違う事さえ容易ではなかった。
ブレーカーを上げて部屋の中に明かりが灯った瞬間、家族からは歓声が上がった。
余震はまだ続いており不安が無いわけではないが、暗い気持ちが一気に吹っ飛ぶ。
ユニークなのは、家族のそれぞれが電気が復旧した途端に起こした行動の違い。
・真っ先に携帯の充電をしながら、wifiを使ってスマホの操作をする姪っ子たち。
・テレビのスイッチを入れてソファーに腰を下ろす父。
・米を研ぎ炊飯器のスイッチを入れる母。
え?私ですか?
温水洗浄便座に駆け込みました(笑)
その後しばらく経ってから会社の仲間たちに連絡を取ると、電気が復旧しているのはまだ半分程度。
管理人さんとも話をしたところ、まだ本社は通電していない模様。
ただ、中心部は徐々に復旧し始めているので翌日には通電するものと思われた。
実家近くの私の住むマンションに様子を見に行く。
他の部屋の明りが漏れているのが見えほっとした。
だが、エレベータは残念ながら動いていない。
まぁ、焦ることはない。
階段を上り下りするのも面倒なので、そのまま実家に引き返し、晩御飯をごちそうになる。
明るい蛍光灯の下テレビが流れる部屋で食べる炊きたてのご飯で作ったおにぎり。
余震の怖さもあるし、これからの不安もある。
そして何より、多くの家庭が停電のままだし、避難されている方も沢山いることはわかっている。
多くの方が震災まっただ中にある。
(それでも・・・やっぱり今この瞬間だけは笑顔になることを許して欲しい。)
そんな風に思いながらこの夜はおにぎりをほおばった。
(続く)
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