北海道大震災 その03 ~暗闇の中両親宅へ~

拙宅から徒歩数分のところに住む両親。
そのわずか数分の距離が今日はやけに遠く感じる。
懐中電灯で足元を照らしながら、まるで田舎の砂利道を歩くような足取りで歩んでいく。
当然だが実家からも明かりは漏れておらず、深夜の佇まい。

鍵がかかっていたので呼び鈴を押すと最初に出で来たのは姉だった。
お互いの無事を確認すると、こんな中でもやはり弾んだ声が出るものだ。

リビングには両親と姪っ子たちが全員集合。
ロウソクの明かりの横には小型のラジカセ。
普段から寝る前に聞いているものに電池を入れなおしたらしい。

ラジオからは地震を伝えるニュースは流れているものの、詳しい情報は十分には伝わってこない。
それでも一つのラジオに耳を傾けて、皆でそれを聞いているだけで少しずつ心が落ち着いてくる。

LINEを使い会社の仲間や友人と連絡を取り合う。
身近な人達の安否確認が取れる度にホッとする。
わかって来たのは「停電は全道に渡る広域なもの」ということ。

(こりゃとんでもないことになったぞ。)
という気持ちと
(これは本当に北海道の出来事なのか?)
という、どこか現実を受け止めきれないもう一つの気持ちがあった。

(続く)

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