北海道大震災 その06 ~震災の中で囲む食卓~

情報収集の主なものはラジオとネットだった。

ラジオを流しながら、Twitterなどで情報を集める。
そんな中、学生時代の同級生から流れてくるグループLINEの情報がとても役に立った。
北海道外に住んでいる友人達がテレビから得た有益な情報がリアルタイムで流れてくる。

徐々に地震の規模の大きさ、停電地域の広さなどがわかってきた。

そんなネットからの情報の一つにNHKのニュースが数分遅れでネットで見れるとの情報があった。
早速Wi-Fiルーターを使いiPadでニュースを視聴する。

これは大いに助かった。
実家では常にテレビがついている。
団らんの象徴がテレビと言っても良いかも知れない。
停電によりそのテレビが映らないことが、より一層不安をあおっていた。

で、このニュース動画の配信が皆で見れるようになったことで、「日常が少しだけ戻ってきた」気がしたのは事実だ。
その一方で視覚で入ってくる情報は、地震の惨状がより強く伝わってくる分、「非日常」を実感してしまう。

震源地である厚真地区は、毎年山菜やキノコなどを採りに行くエリアで、シーズン中は毎週のように我が家の食卓を彩ってくれていた。
その厚真の山の土がむき出しとなった様子が空撮で映し出されるとやはり痛烈に心が痛む。

とにかく何か食べようとの母の提案で台所に向かった。
ガスも水道も生きているのが幸いだったが、実は台所の水道管がやられていた。
元栓付近から水が噴き出していたのだ。
結局台所の元栓は閉めるほかなく、洗面所の蛇口を利用することになったのはやや不便だが水が使えるだけで充分にありがたい。

iPadから流れるニュース映像を観ながら母が作ってくれた雑炊と昨夜の残りのおかずをいただく。
次々と明らかになる情報や安否不明者の情報。
悲しい気持ちになったは本心だし、偽りのない気持ちだ。

だが、やはりもう一つの心の事も書いておくべきだろう。

会社の仲間が無事で家族皆が無事。
ものすごく怖い思いもしたし、まだこの先どうなるかわからない不安でいっぱいだ。

だがそれでも・・・。

家族でこうして食卓を囲めること、温かい食事がいただけること・・・。
普段あまり感じることのない・・・いや、普段は気づいていない「幸せ」という気持ちが強く沸き起こったのも事実だ。
ネットから流れる情報を見ながら、「幸せ」を感じている自分を「不謹慎」と思う気持ちも確かにどこかにあるのだが、ウソ偽りのないその時の感情の一つは「幸せ」というものだった。

遠く東京に住んでいる2番目の姪っ子が心配のLINEを何度も送ってきていた。
「彼女に心配をかけないように笑顔で写真を撮って送ろう」
との提案で撮影したのが上記だが、実はあまり作り笑顔でもない。

ちなみに冷やご飯とダメになりそうな野菜などを使って母の作った雑炊はものすごく美味しかった。

食べながら(この味は一生忘れることはないだろうなぁ)と思っていた。

(続く)