更科食堂@三笠市幾春別 ~復活再開のバトンリレー~
東京オリンピックの400mリレーでの日本チームの決勝でバトンがつながらず残念ながら失格(棄権)となった事は記憶に新しいと思う。
メダルを狙って攻めた結果のバトンリレーのミス・・・。
こればかりは仕方がないと思う。
バトンをきちんとつなぐというのは難しいのである。
さて、飲食店のバトンリレー。
札幌の老舗ラーメン店でもバトンが上手くつながらず「人気がありながら閉店」というのは良く聞く話である。
昭和に開店した人気店が店主さんの高齢でやむなく閉店というニュースを聞くと「誰かバトンを受け継いでくれないかなぁ」といつも思っていた。
さて、今日は三笠市幾春別の名店「更科食堂」の話。
美流渡(みると)で1920年(大正9年)に創業し、炭鉱で栄えたここ三笠市幾春別に移転したのは1925年(大正14年)のこと。
ここ三笠市の地元の人々に愛されて100年を目前に閉店したのは2020年の事。
3代目店主が高齢と体調不良のためやむなく閉店となったと聞く。
飲食店が減ることで街が衰退し元気がなくなり、元気がなくなるから人口が減少する・・・。
田舎にはありがちな衰退の流れ・・・。
そう言ってしまえばそれまでだが、文字通りテンプレートのような悪循環。
残念なことだが日本中でみられる現象なのかも知れない。
ここ更科食堂の閉店も、普通ならここで「残念」「悲しい」で終わってしまうところだが・・・。
地元の人の声、三笠市のバックアップで地域おこし協力隊制度を活用して4代目店主を募集することになったのは2020年秋。
とても素敵な取り組みだと思った。
誰かチャレンジして後を引き継いで欲しいと思った。
そして、そのプロジェクトに名乗りを上げたのは旭川市出身で東京で修業を積まれた方と聞く。
募集時の条件を拝見したが決して「高収入」というわけではない。
お金だけを目的とするなら札幌で誰かの元で働いた方が良いぐらいだと思う。
東京暮らしをしていた人には田舎の不便な暮らしもマイナス要素だったと思う。
勝手な想像ではあるがそれでも新4代目店主さんがチャレンジしてくれたのは、きっと「地域の人に愛されたお店を受け継ぐ」という事にお金だけじゃない「価値」「やりがい」を感じてくれたのだと思う。
さて・・・
そんな気持ちと意欲は買うが更科食堂ファンの一人としては味の評価は厳しくさせていただきますよ~!^^
なんてのはちょっと大げさだけど、ちゃんと地元の人に愛されてきた味を受け継いでいるかどうかは心配だったってのはちょっと上から目線すぎだろうか?
要するにそれなりに「ハードルを上げて」食べに行ったのである。
結論を言おう!
「まんま更科食堂!!」だった。
大好きなラーメンはビジュアルはもちろん優しい味わいもそのまんま。
もりそばに至っては「完コピ」と言ってもいいぐらい更科食堂の味そのままだった。
美味い!
飲食店は「レシピさえあれば同じものが出せる」というものでは無いと思う。
使う食材のばらつきや季節や気温や湿度、そういうものに応じた職人の勘が必要だ。
それに加えて、お店の「空気感」というものは文字だけでは伝えられないものだと思う。
少なくとも私には同じ味、同じ空気をきっちり受け継いでいるなぁと感じた。
何より、お昼時には地元の方がひっきりなしに訪れていた事・・・。
ちゃんとバトンが渡っているんだなぁと思って嬉しくなった。
蛇足だが、レンタルバイクを借りて数年ぶりにバイクに乗った。
札幌からのツーリングではちょうど良い距離だった。
台風の合間の青空が広がる最高の天気、久しぶりのバイクツーリング、更科食堂の変わらぬ味と空気・・・。
良い一日だった^^
ツーリング+ラーメンで"ラーメンツーリング"なのであるが、あえて"ツラーリング"と言いたい。
久しぶりの緊張感、初めてのアメリカンタイプのバイク・・・。
めちゃめちゃ疲れたのも本音。
「辛(ツラ)~リング」という語感が頭をよぎったのである。
DATA
更科食堂
北海道三笠市幾春別町1丁目174
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