ラッキーピエロとベトナムラーメンの思い出(その2:シルクロードというお店)

(前の記事はこちら)

話は遡る事37年前。
1985年の事、函館市本町に一軒の中華料理店がオープンした。
現在は「ラッキーピエロ本町店」となっているところだ

その中華料理店の名前は「シルクロード」と言った。

中華料理店と書いたが、冠は「チャイニーズレストラン」だったかと思う。
オシャレな内装でアルコールやカフェも人気であり、当時流行だった「カフェバー・スタイル」のお店だった。

時代はまだ昭和のバブルの時代。
料理やお酒は二の次でカッコだけのカフェバーがあちこちにできていた。
そんな中にあり、本格的な料理とお酒を提供していたシルクロードは地元の若者を中心に毎日にぎわっていた。

当時はまさにトレンディドラマ全盛期、テレビの中に映るオシャレなお店にただの貧乏学生でしかなかった自分もあこがれたのも事実だった。

だが、シルクロードへ最初に足を運んだのは、そんなトレンディドラマのシーンへの憧れからではなかった。
その時そこでたまたまバイトすることになったアイスホッケー部のチームメイトが
「バイト先のシルクロードのまかない料理がめちゃめちゃ美味い」
と自慢げに話をしていたからだ。

要するに「美味しい中華料理店」という情報にアンテナがビビッと反応したのである。

初めての訪問は、ジャージ姿だったように思う。

オシャレな雰囲気でオシャレに決めた男性が隣の女の子を口説いているすぐ後ろに陣取ったジャージ姿の自分。
今思うと明らかに場違いだったかも知れない。
せっかくのオシャレなお店の雰囲気をぶち壊していたことだろう。

しかし、実際に料理を食べてみるとその美味しさにびっくりした。

その味に一目ぼれだったように思う。
そしてその後もドレスコードなど気にせずに頻繁に通う事になったのだった。

~~~~

それでまた一つ思い出した。
このシルクロードで合コンを開いたことがあった!

もしかしたら数少ない合コンの、しかも初めての合コンだったかも知れない。

その日、隣に座った女性とはとても話が合った。
会話も弾み、お酒も美味しくいただいた。
「帰り際に絶対電話番号をゲットしよう!!」
と意気込んでいた事も思い出した。

そして、会もそろそろ終盤に差し掛かったころ、
「〆にラーメンを食おうぜ!ここのラーメンは絶品だぜ!」
そう幹事が言った時に、私のテンションもピークに達した。

だが、その時に隣の気の合った女性が一言こう告げた・・・。

「ワタシ・・・ラーメンって嫌いなの」

と。

それまでの楽しかった会話もどこへやら。
(あ・・・この娘は俺にふさわしくないな・・・)
と思った。

そしてそのまま彼女に電話番号を聞くことも無く別れたたのであった・・・。

~~~~~

という出来事なのだが・・・。
思い出したものの、我ながらツッコミどころ満載な思い出だ(笑)

まるで「自分がふった」ような記憶になんとなく置き換わっていたが、1ミリも「ふって」いないわ!

・ラーメンが嫌いと言うだけで全否定していた自分って何者?
・それ以前にジャージ姿の貧乏学生に電話番号なんか教えてくれねーわ!
・ふさわしくないとか、どこから目線?

記憶ってヤツは時に「自分で勝手に解釈して書き換えている」事が多いのかも知れない。

もしかするとこの一連の「ラッキーピエロとベトナムラーメン」の記事も記憶違いや勘違いがあるかも知れないが許して欲しい。

思いっきり横道にそれたが、話を戻そう。

~~~~

シルクロードの料理はかなり美味しかったと思う。
特に麺類はどれも絶品だった。

あんかけ焼きそばや広東麺などのあんかけモノが特に美味しかったように記憶している。
中でも自分がはまったのは「ベトナムラーメン」というメニューだった。

残念ながら写真は無いのだが、角切りの野菜にひき肉、中でもシイタケが独特の風味を加えており、ピリ辛の味わいはくせになる美味しさだった。

当時の店長さん(もしかすると社長さんだったのかもしれない)に
「このベトナムラーメンって本当に美味しいですね!!」
と話をしたことがある。

その時に返ってきた答えが
「大門のぶんぶく茶釜の流れを汲むんです」
と教えてくれたことがある。

ぶんぶく茶釜は大門(松風町)にある当時から人気のラーメン店だった。
その時の私は勝手に「ぶんぶく茶釜の支店なんだ」と思い込んでしまったが、お弟子さん・親戚・レシピ伝授etc.色々と考えられる。

シルクロードの関係者にもぶんぶく茶釜の関係者にも取材をしたわけではないのでその関係は謎のままである。

だが、この函館にしかない(だろう)ベトナムラーメンがぶんぶく茶釜で生まれたことは間違いない。
そして、その味・・・特にシルクロードのベトナムラーメンが私を虜にしていた時期があった事は紛れもない事実なのである。

長くなったのでぶんぶく茶釜の紹介はまた次の記事で・・・。

スポンサーリンク