八歳で閉じた扉と、開け直してくれた先生の話~「第四章|遅れてきた入部希望者」
先生の言葉に背中を押され、小学校時代のトラウマは、少しずつ薄れていった。
仲の良い友人たちは、M先生が顧問を務める吹奏楽部に入っていた。
私はそこまで音楽好きにはなれなかったが、フォークギターが流行り始めた頃、親にギターを買ってもらい、練習するようにもなった。
中学二年の後半。
吹奏楽部の友人たちに何度も誘われた。
「お前もブラス入れよ!」
私はのらりくらりとかわしながら、こう答えていた。
「文化祭の演奏を聴いてから考えるよ」
正直、その気はなかった。
今さら入っても遅すぎる。
初心者がものになるとは思えなかった。
ところが・・・
文化祭で聴いた吹奏楽部の演奏は、想像をはるかに超えていた。
ステージの上で、仲間たちが輝いていた。
人生最大級の衝動だったと思う。
翌日、私はM先生のもとを訪れた。
「先生!吹奏楽部に入りたいです!」
—この選択が、次の試練を呼び込むことになる。



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