ウィスキー片手に高校時代の思い出・その6 ~20年に一度の暴風雨~

翌朝目が覚めるとさらに雨足が強くなっていた。
本当はこの日も釣りをしてから帰るつもりだったが、天気を見て釣りはあきらめ早めに撤収することにした。

やや記憶は曖昧だが、キャンプ場から岩内の駅(現在は廃線)までバスが出ていたと思う。
岩内の駅からは電車を乗り継いで帰る予定だったような気がするがもしかすると岩内駅から札幌までの直行バスに乗るつもりだったかも知れない。

ところが、駅員(バス案内係?)から「今日は20年に一度ぐらいの暴風雨、バスも電車も動いていない」と聞かされる。

「・・・え?どうすればいいですか」
「なんせ20年に一度の暴風雨だからあきらめるしかないね」

やたらと「20年に一度」を繰り返す駅員。
帰る術を失った我々にさらに強くなった雨粒は容赦なく降り注ぐ。

「やばいよ・・・どうする?」
としばらく途方に暮れていた。

どれぐらいの時間が経ったろうか?
待合室でぼーっと過ごしている我々に、先ほどの駅員がやってきて
「小樽まで一本だけバスを出す、これが最後だからとりあえずそれに乗りな!」
と告げた。

小樽から先の交通に関してはここではわからないとのこと。
それでも迷っている暇はない、とにかくバスに飛び乗り小樽へと向かう事になった。

その後小樽に到着するとやはり交通網はずたぼろだったが、確か小樽~札幌へは再びバス、札幌からは区間限定のJRが動いていて帰ってきたのだと思う。
前日の寝不足がたたり、次の目的地が決まると安心して眠るという繰り返しで、交通手段がバスだったのか電車だったのかはよく覚えていないが、家が近づくにつれて雨足は一層強まり台風並みの風が吹いていたことはぼんやり覚えている。
時々風の音と乗り物の揺れで目が覚めた。

今にして思えばみんなと一緒という安心感があったのだろう。
冒険の思い出が増えたなとウトウトしながら思っていた。

(つづく)