厚別の名店「名水ラーメン」の閉店に思う

ブルータス!お前もか!!

思わずそう叫びたくなった。
ブルータスならぬ名水ラーメンの閉店の情報が飛び込んできた。

今年は大好きな老舗のお店の閉店情報ばかりが耳に飛び込んでくる。

もちろん店主さんがご高齢というのもあるのだろうが、コロナをきっかけに・・・という店主さんたちの考えがどこかにあったのかもしれない。
こんなところにもコロナの影響が出ている気がする。

モエレ沼近くの中沼に本店があるが、ここ厚別店も創業から既に25年。
完全に厚別の地元の名店となっていた。


(※目を細めて見て欲しい)

それこそ数えきれないぐらいに通ったお店。
間違いなくソウルフード。

ところがここ最近は足が遠のいていた。
もちろんコロナウイルスの影響もあるのだが。。。。

過去の写真を漁っていると、ある傾向に気が付いた。

まず、圧倒的に深夜の訪問が多い。
そしてこの店の訪問の直前の写真を見ると同じような行動パターンを取っていることが多いのだ。

地元での演奏会→宴会→〆ラーメンで名水ラーメンという流れが圧倒的に多い。

最近はトランペットを吹くことも無くなってしまったし、演奏に出ることももちろんなくなってしまった。

名水ラーメンに行く機会が減ってしまったのはそんな演奏機会が減った事も影響しているかもしれない。

演奏会が終わった開放感・・・話はいつだって盛り上がる。
つまみもそこそこにビールや焼酎を飲みながら笑い合う楽しい時間。

そして話に夢中になって、お開きになると初めて「ほとんどつまみを食べていなかった」と気が付く。

多分この店を訪れるのは小腹が空いたからだけじゃない。
楽しかった一日を終わらせたくない気持ちもどこかにあったのだと思う。

羊蹄山の天然水を最初にがぶがぶと飲んで酔った頭をすっきりさせるところからこの店の楽しみは始まる。

飲んだ後にはただでさえ美味しい水が一層美味しく感じる。

その日の気分で味噌も醤油も食べてきたが、やっぱり圧倒的に塩ラーメン率の高いここでの注文。

お店の母さんが手際よく鍋を振り、ラードで香ばしく炒められたモヤシ。

「名水」の名にふさわしい透明なスープはその色とは対照的にしっかりとしたラードのコクとパンチがある。

ラーメンが美味しいのはもちろん、このお店の持つ雰囲気が大好きだった。

楽しい一日の締めくくり。

居酒屋やバーでの締めくくりとはまた違った「余韻」を楽しみたかったのかも知れない。

多分もう演奏でステージに立つことも無いだろうし、開放感を楽しみながらの打ち上げに参加することも無いんだろうな・・・。
なんとなくそう思っている。

演奏することを諦めてしまい、自分から手を放してしまった吹奏楽。

それと共にちょっと足が遠のいていた名水ラーメン。

あらためて名水ラーメンの数々の写真と、その前に度々登場する演奏シーンと打ち上げのシーン。

もう演奏会に出ることが無いんだろなという気持ちと、もうこの店のラーメンを食べられないという事実。
それらが対になってなんだかどうしようもない寂寥感に襲われている。

開業してから25年かぁ・・・。
その間にすっかり自分の舌と心に沁みこんだ欠かせないお店になっていたなぁ・・・。

初めてこの店を訪問したのはオープン間もないころ。
当時はまだ東京在住で、札幌へは出張で来ていた。

宿泊先の実家から近い事もあり、深夜のラーメンを楽しんでいた。

それから数年後に本格的に札幌に転勤になってからは、先に書いたように「演奏&打ち上げ後の〆ラーメン」として味だけじゃなく、仲間とその時間や空気を楽しむお店になっていた気がする。

味が大好きなのももちろんだが、やっぱり楽しかった一日の締めくくりであり、一日の余韻を楽しむお店としてこのお店を訪れていたんだと思う。

こういうのが時の流れってやつなんだろうけど・・・。
やっぱり悲しいし寂しい・・・。


(2009年深夜撮影)

歴史を重ねると共にのれんの色は少しずつ色褪せてしまったけど、ここで食べたラーメンの味と記憶は色褪せていない気がする。


(2019年昼撮影)

最後にもう一度食べたかったけど、こればかりは受け入れるしかない。
今までありがとうございました・・・。

幾度となく楽しい一日の締めくくりを演出してくれてありがとう!
沢山の思い出を与えてくれたことに感謝・・・。

DATA
名水ラーメン厚別店
北海道札幌市厚別区厚別中央三条4-5-1
(令和4年7月15日で閉店)

「今日の一言」
  思い出が
    透明スープに
      見え隠れ