らーめん千太(2018年12月9日で閉店) 「しおらーめん+〆めし」

いつからだろう?
街に流れるクリスマスソングが嫌いになったのは。

楽しい気持ちや弾む気持ちより、寂しくて切ない気持ちに襲われるのだ。

特に「I saw mommy kissing santa claus」(ママがサンタにキッスした)のメロディが聞こえてくると、心が締め付けられるようなどうしようもなく悲しい気持ちになってしまう・・・。

きっと普通の人はワクワクするような楽しい気分になるのだろうが私の場合には逆なのである。

いつからだろう?
このお店を訪れるのは決まって心が疲れている時になったのは。

きっと普通の人はこのお店の味を思い出しながらワクワクして訪れていたのだろうが、私の場合はこのお店に限って言えば別な気持ちの事が多かった。

過去のブログを改めて読み返してみたが、当時の苦しかった出来事やその時の気持ちが蘇ってくる。

・2008-12-21
・2009-10-11
・2012-11-19

そう、いつだってこのお店は「胃袋だけじゃなく心も満たしてくれる」お店だった。
傷ついた心を癒してくれる大切なお店だったのだ。

お店に行くまでは心が落ち込んでいて足取りも重かったはずなのに、帰り道には元気な足取りで帰っている。
自分にとってはそんなお店だった。

そして今日・・・。
やっぱり足取りは重かった。

だが、今回ばかりは自分の心の中に原因があるのではない。

12月9日で閉店してしまうという事そのものが私の足取りを重くしていた。

とても残念だけど・・・今回ばかりは仕方がない。

お店には閉店を惜しむ人であふれかえっていた。

皆に愛され、皆の心を癒し・・・。
そして笑顔で送り出してくれる。

このお店の素晴らしさをみんながそれぞれに感じ、それぞれが別れの寂しさを感じているのだろう。

クリアなのにしっかりと旨味に溢れ、それでいて嫌味が全く無いスープ。

「話は聞くけど説教臭いことは嫌い」とでも言っているような、まるで店主さんそのもののようなその優しさが胃袋だけじゃなく心にまで染み込んでくる。

仕方がないこととはわかっている。

でも、これがもう最後かと思うとやっぱり寂しくて仕方がない。

トレードマークのかまぼこももう見納めである。

初めてこの〆メシを食べた時にはちょっと衝撃を受けたなぁ。

スープの美味しさは当然わかっていたが、そこに「わさび」のアクセントが加わることで、極上のお茶漬けに変身する。
もし頼めるものなら〆メシだけを食べたいと思った二日酔いの昼も何度あったことか・・・。

「人間しっかり食べれば元気になれる!」
なんて思いながらどんぶりを空にする頃には、昨夜のやけ酒のアルコールと淀んだ黒い心が抜けていった。

いつだって行けるさ!
心が疲れたらまた行こう!
・・・なんて安易に思っているうちにちょっと足が遠のいてしまったけど、やっぱりもっと通うんだった。

この日も癒されました。
バスターミナル地下の時代から、ずっと元気をもらい続けてきました。

らーめん千太には心から感謝です。
ありがとうございました。

DATA
らーめん千太
札幌市豊平区平岸3条9-9-18
(2018年12月9日(日)で閉店)

「今日の一言」
  街流れる
   ジングルベルに
    寂寥感

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