ウィスキー片手に高校時代の思い出・その3 ~喧嘩と歯車のずれ~
そんなヒロと大喧嘩をしたのは受験も終わって合格発表の直前だったと思う。
いい加減な浪人生活を過ごしながら、受験は上手く行った自分。
それに対して彼は二浪を確信していたのだと思う。
そんな心境の違いもあったのだろうか?
会話が少しずつずれていく。。。
原因は覚えていない。
最初のきっかけとなる言葉は何だったかもわからない。
だが、私が何かきっかけとなる言葉を発したのは間違いない。
そして、彼の言ったフレーズは覚えている。
「ということは、お前は俺らの高校時代を否定するっていうのか?」
「そんな事は言っていない。高校時代を否定しているのではなく、次に進まなくちゃって言っているんだ」
「いーや!お前は今までの全部を否定しているように聞こえる!お前とはこれきりだ」
「だからそんな事は言っていないだろう!それでもヒロがそう思うならそれでもいい!」
それまでも小さな喧嘩は数えきれないほどいくつもあった。
だが、それまでとはちょっと違う歯車のずれというか・・・ちょっとした違和感を感じたのも事実だ。
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彼とのけんかの後、一週間ほどだったろうか?
大学の合格発表があった。
私は無事一浪で大学への入学が決まった。
ヒロの名前は無かった。
自分が幼かった事もあるが、彼に電話をする勇気が無かった。
そして喜んで欲しいはずの親友ヒロから電話が来ない事を願ったのも本音だった。
喧嘩の仲直りもできぬままの状況で彼にかけるべき言葉が見つからなかったのである。
その時に歯車が完全にズレた気がしたのを覚えている。
その後彼と連絡を取ることもなかった。
今思い出しても胸が痛い・・・。
まだこの時なら修復も可能だったろうし、二人で楽しい20代30代を過ごせたかも知れない。
人づてに、彼が教育大へ進学し教師の道を目指していると聞いたのはそれから数年後の事だった。
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