5年前のとある出来事~その18 退院(中編:沼津港魚河岸)~
入院をして気が付いたことの一つが「美味しいものを食べるだけで人は幸せな気持ちになれる」ということ。
別に病院食が美味しくなかったわけではない。
むしろ品数も多く美味しい病院食を提供する部類だったと思う。
ただ、以前の記事に書いた通り「麺類が出てこない事件」で再認識したのは
『美味しいものを食べられない = 不幸』
『美味しいものを食べた = それだけで幸せ』
という、人間には割と単純な側面もあるということ。
さて・・・美味しいものを食べに行こう!
退院一発目の食事は深海水族館のすぐ近くにある沼津港魚河岸で食べることにした。
何の事前情報も先入観も無くメニュー写真だけ選んだお店。
のれんには「千本一」と書かれていた。
今までの病院食の事を考えると、徐々にハイカロリーなものにしていくのがいいのだろうが・・・。
そういう配慮ができるぐらいならこんな体型にはなっていない。
「退院した最初の食事だからご褒美に・・・」
と考えるあたりが既にもうダメ。
デブは基本的に「自分へのご褒美」のハードルが低いのだ。
注文は山盛りの海鮮丼にした。
ご褒美を得るハードルは低く、ご褒美の内容は高く。
ダメなところである。
この時食べた海鮮丼は、退院して最初の食事だからということだけではく「これは反則だろう・・・」と思うほどに美味しかった。
入院中には当然刺身なんか食べられるはずもなく、刺身を食べられるという事だけでありがたい事だ。
それもこれだけ新鮮な海の幸が山のように盛られていると嫌でもテンションが上がってくる。
腹ごなしに市場の周辺を散歩。
美味しそうな海鮮のお店が並ぶ。
基本的に地方に行くと観光地より地元の市場を見て回る方が好きである。
歩いているだけ元気になる気がするのだ。
そんな中、いかにも美味しそうなお土産のお店を覗いてみた。
ズラリと並んだ干物の数々。
干物で有名な沼津だけあって、どれもリーズナブルだが見るからに美味しそうである。
お土産にいくつか見繕って心配をかけた人たちに送ることにした。
市場の雰囲気、美味しそうな魚の数々・・・。
歩いているだけ、見ているだけで身体中の血の巡りが良くなる気がした。
入院生活期間中は刺激の少ない毎日だった。
それだけにこの市場の刺激的な風景、音や匂いは全身の五感を一気に刺激してくれた。
(もしかすると歩いた歩数以上に十分にリハビリになったのではなかろうか?)
そんな事を考えながら市場を後にして、再び車を走らせた。
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