5年前のとある出来事~その11 戻りつつある気力と院内散歩~
とりあえず20日後の函館でのOB戦に行く!という目標はできた。
不思議な事に一つのやりたいことが見つかると、どんどん元気が戻ってくるのが自分でもわかった。
あれもこれもやりたいという気持ち・・・大げさだか生きる気力というものが湧いてくるのを感じていた。
だが、担当医にはOB戦に行きたいなどとは言えなかった。
もしかするとこの先運動は一生できないのではないかと思い込んでいたからだ。
医師に「運動は無理、アイスホッケーなんてもってのほか」と言われたら、間違いなくまた気力をそがれるだろう。
一時はもし「死ぬ」と言われても「ふーん」というぐらいの感覚だった事が信じられない。
生きる気力と生への無関心・・・表裏一体なのかもしれない。
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一週間か10日ほど経ったころだろうか?
同じフロア内だけ散歩しても良いとの許可が出た。
大きな病院で広いとは言え、同一フロアだけの散歩。
歩いたところで知れているのだが、これは嬉しかった。
エレベーターホールの前にはサロンのような休憩場所があった。
そこの掲示物を見ているだけでもなんだかワクワクするのだった。
そして、そこで目にしたとある掲示物。
それにはこう書かれていた。
「昼食は麺類に変更が可能です。入院患者さんでご希望の方はお申し出ください」
これには狂喜乱舞した。
麺が食べられる!
だが、この掲示物を発端にひと悶着あるのであった。
折角湧いてきた生きる気力を無駄な方向に向けた後悔するような出来事へとつながるのだ。
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