直伝屋~春の限定メニューと桜の思い出~

社会人になって最初の勤務地は靖国神社のすぐ近く。
九段下の駅から千鳥ヶ淵の横を通り、九段の坂上まで歩いての通勤だった。

赴任したのはGW直前で、すでに桜の花はすっかり散っていた。
初めて東京の桜を見たのは赴任してから一年が過ぎてからだった。

千鳥ヶ淵は桜のメッカらしいが「桜の花ぐらい見たことあるし感動するほどのことはないだろう」と思っていた。

ところが、その花を初めて見た時には「圧巻」の一言であった。
素直に感動した。

初めての地東京。
右も左もわからぬまま、ただただがむしゃらに頑張ってきた一年。

いや、不安な気持ちに押しつぶされそうになるから、あえて息継ぎをしないように日々を過ごしていただけかもしれない。
気を抜くと気持ちが折れそうな予感がしていたので、背伸びしながらの張り詰めた毎日だった気がする。

そんな時に見た満開の桜。
癒しとともに「元気」と「前向きな気持ち」をもらったのは紛れもない事実だ。

桜を見ながら「一年良く頑張った」という気持ちと「また一年頑張ろう」と思ったことは鮮明に覚えている。

さて、北海道の桜であるが、東京のソメイヨシノ中心の桜ではなくエゾヤマザクラ、ヤエザクラなどの混在が多いらしい。
円山公園駅近くの北海道神宮の桜もそれらが約1100本混在していると聞く。

千鳥ヶ淵で見た「圧巻」というものとは違うが、やはりワクワク感と元気をもらってきたのは間違いない。

ただ、その理由の一つは桜の美しさばかりではなく、花見をしながらの屋外でみんなで食べたジンギスカンの思い出があるからという事も否めない気がする。

他の地域の人には信じられないかも知れないが、桜の木の下のあちこちでジンギスカンやBBQの煙が立ち上る。

桜のチップは燻製に使われるスモークチップとしては非常に優秀である。
桜の木も、自分が燻す事はあってもまさか自分が燻される側になるとは思っていなかったことだろう。

皆で鍋を囲みながら食べるジンギスカンの美味しかった事・・・。
頭上に桜が咲いていながら、花はそっちのけ。
肉の焼ける鍋や仲間の笑い顔ばかり見ていた記憶しかない。

それでも桜の花見は間違いなく元気をもらえるイベントだった。

 

・・・数年前までは・・・。

 

コロナ以降そんな集まっての花見会は叶わないイベントとなってしまった。

いつの日かまたこんな風に皆で集まって、桜を見ながら楽しめる日が来て欲しいと心から願っている。

さて・・・。
話はガラリと変わり札幌ラーメン直伝屋の限定ラーメンの話である。

4月1日(金)~4月15日(金)まで
「サクラサク春色白湯塩ラーメン」
を提供する。

豚骨白湯をベースにビーツを使って鮮やかな桜色に仕上げたラーメンである。

とはいえ、単なる「イロモノ」では決してない。

豚骨スープにバターのアクセントでコクと厚みを加えている。
ビーツの風味は私自身も味わった事の無い白湯風味だったが、決して違和感のあるものでは無く美味しい白湯スープに仕上がっていると思う。

合わせたのは西山製麺の細麺。
ハリと食感は抜群だと思う。

細麺だとダレやすいモノがある中、最後までしっかりした食感と張りを保ってくれるこの麺はとても美味しくて相性も抜群だと思う。

鶏チャーシューは胸肉を使いながらしっとりと仕上げた。

スパイスのアクセントを利かせたチャーシューで爽やかな香りが口の中に広がる。

トッピングにも使用しているビーツは酸味を効かせた味わいに仕上げ、博多ラーメンの紅生姜と同様に白湯スープとの相性抜群。
箸休めの役割も果たしている。

北海道神宮の桜の季節はもう少し先だけど、ちょっぴり春色を先取りした
「サクラサク春色白湯塩ラーメン」
是非食べに来て欲しい。

未だコロナ禍の終わりは見えないけれど・・・。

昨日よりちょっとだけよい明日に、昨年よりちょっとだけステキな一年に・・・

そうなるといいな。
そんな願いも込めて作ってみました。

気持ちを前向きにしてくれる桜の花。

いつの日かまた皆で笑顔で桜の木の下で集える日が来るといいな・・・。

あの千鳥ヶ淵で見た桜にもらった元気・・・。
北海道神宮の桜の下で皆と楽しんだワクワクした気持ち・・。

桜には幾度も元気をもらってきた。

個人的な思いでしかないけれど、この桜色のラーメンがちょっとだけ誰かの元気に繋がったら嬉しく思います。

皆様のご来店を心よりお待ちしておりますm(_ _)m

DATA
札幌市中央区南1条西27丁目1
マルヤマクラス3F(円山公園駅直結)
札幌ラーメン直伝屋
TEL:011-211-1792

「今日の一言」
  花の茶屋
    喉と心を
      潤して

スポンサーリンク